天 疱 瘡 病 群

(テンボウソウ  ビョウグン) 

(自己免疫性皮膚病)

                            (じこめんえきせい ヒフビョウ)

 
                            
 免疫システムの錯覚に基づく皮膚病の総称
人:動物は自分以外の微生物から自己防衛の方法に免疫システムがある
血液系統の細胞で自己防衛の抗体(免疫)を絶えず生産し血中に放出している
正当な免疫は動物自身の細胞・組織を保護し攻撃はしないのが普通の状態
時に・多分遺伝子の一部変化に因って免疫システムに乱れが発生する事がある
免疫システムの乱れが動物自身の細胞・組織を攻撃して障害を引き起こす結果
様々な内科・外科・神経科・皮膚科の病気を引き起こす事になる
この免疫システムの乱れの発生するメカニズムは解明されていない
進歩した近代医学においても詳細な情報は解読されなく未知の分野になつている
診 断
視診  経験のある獣医師の詳細な病態観察による診断
病理検査    皮膚の細胞を取り染色・顕微鏡検査
           皮膚組織細胞の免疫染色しての顕微鏡検査
診断的治療  特異的免疫抑制剤を使用して効果判定検査
未解決の分野が多く現在は組織的確定方法が限定されている
治 療
特異な免疫抑制剤の長期間内服方法が常用となつている
  注射・外用は限定され効果が内服に劣っている
皮膚病の軽重・診断度にスライドして処方は変化する
内服治療の限界度(閾値)が判明するのに約半年間掛かる
限界度(閾値)とは内服投薬の最低有効処方量で・この処方以下では
皮膚病が再発する・以上で皮膚病を抑制し治療効果が望める薬用量限界域
かつ副作用・副現象を最低限に抑制し生命維持と延命効果が期待できる領域
副作用・副現象
自己免疫抑制剤の複数を処方すると次の症状が出ます
食欲増進・飲水増加・尿量増加・肥満体質化
肝臓肥大・肝機能低下・腹部膨大・皮下組織に石灰沈着化
以上が異状に出現するので内服治療の限界度(閾値)範囲内ならば
副作用・副現象を最低限に抑制もしくは発現せず生命維持と延命効果がある
予 後
この皮膚病は自己免疫抑制剤内服処方を休むか中止すると必ず再発する
余命は無治療での場合は短期間で死亡する
適切な治療を受ければ3−5年以上の延命効果が期待できる
詳細は掛かり付けの動物病院で相談して下さい
 
以下の画像は私の病院で診察した症例をお見せします
参考になる点が有ると思いますので良く観察してください
 
(1) 尋常性天疱瘡
日本犬の症例発病初期は小水泡が発生
 
(2) 尋常性天疱瘡
猫の臨床例発病当初の病変

(3) 紅斑性天疱瘡
鼻鏡の色素変化・硬化・亀裂・出血
痂皮(かさぶた)の形成が特徴

 
(4) 類天疱瘡
ヨークシャテリア例
全身性に極小水疱が多数発生が特徴

 

 

(5) 円盤状紅斑性天疱瘡
鼻鏡・鼻梁の炎症・糜爛・潰瘍・痂皮
日光・紫外線に対する過激反応
皮膚表層のバリアの形成不全

(6) 落葉性天疱瘡
大型な痂皮が出来てくる
血液の混合した厚みの有る大きいカサブタ

(7) 紅斑性天疱瘡
広域な皮膚の炎症で皮膚は赤くなる
慢性化すると皮膚の脂漏分泌が多くなる

(8) 増殖性天疱瘡
皮膚上層の炎症が主体
細胞間の浮腫で表面は湿潤する
皮膚表面は摩擦により脱落する

(9) 尋常性天疱瘡
毛包単位の炎症性にみえる
細部に観察すると水泡が初期にある

(10) 尋常性天疱瘡
犬の個体差で病的諸症状は不定
変化に富んだ病的皮膚病を示す
 
 (11)紅斑性天疱瘡
特定限定部位に病的皮膚変化を示す
掻痒・脱毛・皮膚の炎症・肥厚・脂漏


 (12)多形成性紅斑
皮下出血の外観をていするが赤い斑状
皮下出血は紫色に変化するが症例では
紫色に変化しないのが特徴

治療の要点

内服治療が最も効果的であるが、色々の難点がある
閾値の設定まで3−6か月以上を必要とする
完治が出来ず内服を中止すると多くは再発します
飼主の絶対的な看護と愛情が不可欠
慢性的な皮膚症状で難治性の皮膚病である
根気と費用が掛かることを忘れてはならない


 
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