自己免疫性皮膚病 総論
       
*** 臨症例は此の総論の次章に記述してあります ***

 原因    免疫異常が起きて自己の細胞(皮膚又は内臓)を免疫抗体が攻撃して正常の機能を妨害する、

          発症原因の詳細は解明されていないが、臨床的変化は把握されて診断は可能となっている。


  
治療  免疫抑制剤の複数を・グレイド に準じて長期服用で克服可能であるが、処方と期間の調節が

        誤ると・副作用の為に悪化する事が有り専門性が左右される。


   
予後  上手にコントロール出来れば治癒に誘導出来るが、一般的にあまり良くない。
      
               
自 院 経 験 し た 症 例 画 像 集

1尋常性天疱瘡 2 尋常性天疱瘡 3.全身性紅斑性狼瘡 4全身性紅斑性狼瘡 5 ジュウリンク皮膚炎
6全身性紅斑性狼瘡 7全身性紅斑性狼瘡 8 尋常性天疱瘡 9 尋常性天疱瘡 10 ホヒト小柳原田病
11皮脂腺炎 12 落葉性天疱瘡 13紅斑性天疱瘡 14 紅斑性天疱瘡 15 増殖性天疱瘡
16 尋常性天疱瘡 17 尋常性天疱瘡 18 尋常性天疱瘡 19 尋常性天疱瘡 20全身性紅斑性狼瘡


   多くの自己免疫性皮膚病が有ります、皮膚病に強い動物病院を探し又は紹介で治療を受けて下さい。
      
        先ず
診断名を正確に告知される事、気長に根気よく・副作用を予防しながらの治療

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      動物皮膚病図鑑     2015/10/01日号        通巻102号

    キーワード  皮膚病 自己免疫不全性皮膚病 (
尋常性天疱瘡病)

   プロフール

                 イタリアングレイハンド 避妊雌 8歳 4.3kg栄養中の下

       全身性の膿皮症との事で来診・感受性細菌検査で適正抗生剤使用で治癒する。

       その後4カ月で全身性に膿皮症・の再発で来診・自己免疫不全性の皮膚病と診断。

            写真A(全身性膿皮症)自己免疫不全治療開始時

A 鼻から頭部に掛けて隆起性の痂皮性の膿皮症を示す

B 四肢末端の炎症性脱毛・局所性の膿皮症(普通の膿皮症と異なる

C 四肢の広域膿皮症は非定型的
が特徴の病変

D 背中・体側の膿皮症は非リング性で良く観察で判明する

E 踵前後の炎症軽度の脱毛性変化は典型的膿皮症と判別可能

            写真B群自己免疫不全(治療経過良好時4カ月後)

F 顔・頭部の病変は良好となり
  見栄えが良くなっている

G 四肢・指端の炎症が消退して発毛  開始している

H 背中・体側の膿皮症変化は無
 く綺麗になる

I 四肢の炎症性脱毛域は好転し て発毛開始している J 踵から指先に及ぶ炎症も消退し
 て発毛良好

   経過

   初診症状は全身性の膿皮症であったので細菌検査で適正抗生剤使用で治癒したが、4カ月後に再発した時点で
  自己免疫不全性の尋常性天疱瘡病と判明したので免疫抑制剤の投与開始。

  治療開始4カ月後の写真と比較すると症状が改善している事が明白に成っている。

   診断 自己免疫不全性の尋常性天疱瘡病は初め膿皮症に酷似しているので、治療・観察を密にしていれば
     再診断が可能となる。

  治療 自己免疫不全性の尋常性天疱瘡病と判明すれば、免疫抑制剤の内服継続で好転するが抑制剤を減量
     又は中止すると再発・悪化するので注意する。

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   動物皮膚病図鑑 3-7    2014/09/01日号        通巻100号

      キーワード  皮膚病 自己免疫不全性皮膚病 (皮脂腺炎)

   プロフール 

       秋田犬 8歳 去勢雄 32kg  栄養良

 今年 肛門周囲腺腫の手術時に去勢をした、皮膚に関しては血液検査・皮膚掻爬検査・ 

 何も原因はつかめず診断名が不詳のまま、ステロイド
5mgの錠剤を16(体重1kg当た

  0.93mgは当院の通常使用料の8倍量)14日間内服を継続した・抗生剤・甲状腺剤・

 シヤンプーの指導・内服で良くならず転移・来診した。


                来院・初診時の写真

 被毛粗造に乾燥性で光沢なし・これといった皮膚の変化が少ない、只皮膚・被毛の粗造性が目立つ・体臭は変化が少なく・異臭性は無く、まばらな暫毛性脱毛が特徴

被毛の乾燥性は時期にも依るが年中乾性被毛が目立ち下毛・綿毛が欠防しているので見すぼらしいと表現が適しているので、一口に地肌の乾燥との表現が適している。

全身性被毛色素の減退が目立つが、斑状脱毛性はなく・なんとなく粗造性の脱毛変化が目立つ・所謂みすぼらしい形容の被毛が特徴で、被毛は乾燥状態を維持している

被毛の変化は写真では前肢の部分に毛が薄くなり・微かに色素沈着が有る・これが本疾患の特徴で・多くは原因不明の脱毛として見逃される、しかし皮膚の乾燥があることを見逃しやすい。

診断 自己免疫不全性皮膚病 皮脂腺炎 完治には3-.4年掛かる難病

      誤診し易い皮膚病病 秋田犬種に多く発生する傾向がある。

   甲状腺機能低下の要因も随伴する。

   確定診断は皮膚の病理組織検査が必要である。

治療 自己免疫性自動処方の13回内服 ビタミンAEF 外用塗布薬 抗生剤及び

    シヤンプーは無効である。
 

予後 自己免疫不全性皮膚病であるので、治療は長期間を要する
 
 
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    動物
皮膚病
図鑑 3-7    2014/04/01日号        通巻63号

             キーワード  皮膚病 自己免疫不全 アレルギー ハウスダストアトピー
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   プロフール

  雑種 雄 10ヶ月 11kg 栄養中 

  去年の11月に眼周囲の異常に気付き近医に診察を受けたところ 診断不明と告げられ

  見るからに抗掻痒剤と抗ヒスタミン・栄養剤サプリメント・抗生剤を処方され

    様子を見る事になるが 日に日に眼周囲も症状が広がり悪化し炎症が下顎・口の端に

  まで波及し確実に広がりを見せる状況に耐えられず 兄弟に相談した所皮膚科専門病院

  が有ると知り転院・来診した。

  註1 抗アレルギー剤の処方が不充分

     以下の写真は初診時と17日・45日経過後の皮膚変化

A   初診時の眼瞼周囲は硬化し・色素沈着を起こしており表皮が肥厚・隆起した部分が剥離し出血を起している、毛包虫の寄生時に似ているので注意

B  17日経過 硬化ブロック状であった眼周囲の皮膚が色素沈着は残るものの硬化肥厚が正常化し剥離・出血共に無く落ち着き始めている、
耳介辺縁の脂漏性変化は
慢性皮膚炎の様子 

C 45日経過 飼い主様よりの写真、掻痒性は低下して眼周囲の厚い痂皮は脱落改善して本来の状態に発毛し他の部分と病変だった部分の境が分からない程に完全回復している

   

  

D  初診時口周囲 初診時 硬化肥厚した皮膚が下顎端から口角まで広がっている

E 17日経過 脂漏塊は消失し、炎症も薄くなり、痒みが無くなりほぼ通常の状態に戻っている

  F 45日経過 飼い主様より送付された写真か ら口周囲の本来の状態に戻り、病変部位が分から ない程に回復している

  検査結果

     皮膚掻爬検査  毛包虫(−) 疥癬・ダニ(−) 蚤 () 寄生虫陰性

     血液検査 ALB(蛋白質) 2.4   ALKP(肝機能) 74   ALT(肝機能) 43

                GLU(血糖) 92    CHOL (コレステロール)  99   BUN(腎機能)  12

                 TRIG(中性脂肪) 37  好酸球数 620↑増加 

     註2 好酸球数の増加はアレルギー疾患の証明

      診断 自己免疫不全 局所性アレルギー・ハウスダストアトピー(亜急性)

       免疫系統が特異的変異をきたして発症するアレルギー体質の疾患

      アレルギー体質であるがその発症の原因は追求困難である

      治療  コンピュター自動処方に免疫抑制剤追加  ビタミン剤 A E・Fの内服

      註3 免疫抑制剤追加をしたので回復が早くなったと考えられる。

     指導  低タンパク症なので蛋白質の魚・肉の多給を指示

           運動は舗装した道路、繁華街、人車の頻繁な道を選んで散歩して視覚・神経の

     刺激を
与えホルモン分泌を刺激する。

               この疾患は治療を中止すると再発する可能性がある皮膚病なので 

             内服薬の最低維持量を慎重に経過・観察して継続治療する事が重要となります
 

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 動物皮膚病図鑑     2013/07/01日号   通巻47号

 キーワード  皮膚病 全身性紅斑性狼瘡 自己免疫不全 紅斑 爛れ 血痂 膿臭
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1.プロフィール  
                   コーギー 去勢雄 10歳 9.2kg

病歴   A  2歳時に脇の下・内股が赤くなりアレルギー体質・ステロイド剤内服で治癒。

   B  5歳時にアカラスと言われ抗菌シャンプーを月2回、抗生剤、アレルギー用のフードを使用.

   C  9歳時7月に赤みと痒みが酷くなり同様の治療をしたが治癒しなかったので

   エリザベスカラーと洋服を着せたが頭部が赤くなり

   D 転医2回・診断病名が無くステロイド剤と抗菌剤処方・唯シャンプーの指示でしたが改善が無し。
 

  E  3ヶ月前から頭部・肉球間の化膿・糜爛で動作緩慢・肛門糜爛し排便困難・痩せる元気消失。
  
 
***(上記Eの症状時点で近隣の皮膚科専門医を紹介・治療をしていれば延命していた)***

   * 皮膚科専門の動物病院をネットで知りメール診断を依頼した。

  血液検査と ホルモン検査のデーターは無し

      過去の写真10数枚(健康時2.3ヶ月前4枚。現在時9)同封


  
2.病態画像      (メール診断依頼時の写真)

頭頂部脱毛糜爛・血痂形成・鼻梁脱毛色素沈着

頭頂部脱毛糜爛・血痂形成・鼻梁脱毛色素沈着

眼瞼周囲・口唇脱毛・糜爛・厚層血痂 (全身性紅斑性狼瘡の特徴)

鼻鏡-上口唇・潰瘍性糜爛 (全身性紅斑性狼瘡の特徴)

右体側面 広域の脱毛・糜爛性・血痂・舐性・
掻痒

 

腹 内股・肥厚性糜爛 
(全身性紅斑性狼瘡の特徴)


 後肢 広域性糜爛・血痂・舐性・掻痒


肛門 糜爛性肥厚浮腫 排便時疼痛

  3.検査       

  血液検査・ホルモン検査などの資料は添付なし
 
 
診写真検査

  全身各所に脱毛が40-50%と糜爛面と血痂形成多数に化膿臭ありと、糜爛面の血痂各所

 3-4ヶ月間で病状悪化は急性の自己免疫性皮膚病で適切の診断・治療が実施しない場合

 進行が早いのが多々見られる。

 全身性紅斑性狼瘡の特徴は病名の如く、全身性に紅斑が出現する・又頭部顔面が特定の
 
 病状を示すので診断は比較的容易である。

4.診断    全身性紅斑性狼瘡 (自己免疫性皮膚病) (皮膚科専門医でないと診断が困難)

              発病原因 (発症原因の機序・誘引等の詳細は解明されていない)

 5治療方針 アレルギーに分類されているが免疫抑制剤に抗アレルギーを主とした
     処方・内服の続行のみがあるが、予後は芳しくない。
    本症例患犬は残念であるが、当院診断後数日で死亡した症例である。

     注意事項

      通常の動物病院は全科目を診療しているので、特に皮膚科診療には関心の深い獣医師が居る動物病院を

      日頃から注意して探しておくべきである、出来れば専門病院を紹介するような良心的な動物病院があると良い。

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